2014年12月17日水曜日

古きを温める

今、物質的に一昔前より格段に充実して何もかも便利になると同時に、法律も整備され、福祉も発展して、差別なども減ったように思いますが、少し前(昭和の時代程度)の書物や映画に触れたときに、当時の価値観に打ちのめされることがあります。

その多くは、当時の人間の精神性の高さによるものです。

確かに、今でいうところの差別用語やストレートなからかい言葉やハラスメントという行為など、今は封印されたものが次々登場するのに驚くこともありますが、それはそれで自分ではどうにもできないこととして、それをどう受け流すか、またその人間を糾弾する前に、自分の生き様を省みる姿勢を当時の人はもっていました。その哲学はどれも宗教に通ずるものであり、あらためて、明治以降、信仰としての宗教が封印されたと言っても、宗教心はしっかりと個々人の生き様に反映されていたのではないかと思うのです。

いま、自分たちは心が最も幼稚化している時代(幼稚化というのも適切でないかもしれません。幼い子どもの多くは見習うべき心の美しさを持っているためです)に生きているのではないかと危惧せざるを得ません。