2017年2月26日日曜日

愛語は肝に銘じ、魂に銘ずる

人を褒め、共感する言葉「愛語」は、巡って本人に届くことがあります。  
直接耳にするのはもちろん嬉しいし、面と向かわないで巡り巡って伝わってくる「愛語」も、心に深く響いて忘れられません。
哀しい哉、人は承認を求める生きもの。
他人の目を気にしてばかりでは情けないですが、とはいえ信頼している人、尊敬している人から頂ける愛語は、どんな贈り物よりも嬉しい。
最近、続けて愛語を頂く幸せに預かり、深くそう思いました。 

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【道元禅師「正法眼蔵」菩提薩埵四摂法より】
面(むか)いて愛語を聞くは面(おもて)を喜ばしめ、心を楽しくす。
面(むか)わずして愛語を聞くは肝に銘じ魂に銘ず。
愛語能く廻天の力あることを学すべきなり。
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「愛語」は肝に魂に刻まれます。
ひいては、世の中を動かす大きな力さえ持つ。
適確に言い得たこの教えは、800年前の智恵です。
先人の偉大さが染み入ります。

能登半島は輪島市秘境西保海岸の築280年の古民家で、波の音の中で憶いに耽る夜です。