2015年6月25日木曜日

病気になること

死は悪ではないという話をしましたが、病気についても、世の中の常識は、憎むべき敵対する相手という存在として捉えられています。

世の健康ブームなどは、その典型で、健康に無頓着な人間はあたかも自分が悪いくらいのムードですが、実際のところ、健康ブームとはは、精神的不健康ブームとも言い換えられるのではないでしょうか。
それは、健康な人が増えるのではなく、健康に不安を感じる人が増えることだからです。

本末転倒なのは、病気を退治するために、他のすべてを犠牲にするような生き方。病気予防とつなげてしか日々のルーティンの日課を考えられない人もいます。究極は、癌退治で抗がん剤でボロボロになるような類の治療を良しとする考え方と思います。

病気や不具合も受け入れて考えるべきと思うのは、病気や不具合を気にしないで生きていることがいかに楽なことであり、有り難いことかは、病気して不具合を持って初めて心から実感できるからです。

病気や不具合とは、基本「共存する」という考え方を持ちたいところです。

ただし、もう一つ大事なのは、次の真理です。

人間誰も一生に一度、治らない病気にかかるということ(人によっては病気以外の原因で先に亡くなりますが)。
それが「寿命」なのです。

『養生の道はあるが、生まれつき持っていない命を長くする薬はない』(貝原益軒)